ギリシャ産のオリーブオイル

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品質に優れる
ギリシャ産オリーブオイル

ギリシャのオリーブオイル生産量はスペイン、イタリアに次いで世界第3位です。

オリーブオイルの中での最高グレードは理化学的品質及び官能的品質の基準値をクリアしたもので、エキストラバージン・オリーブオイルと称されます。
ギリシャはオリーブオイルの全生産量の中でエキストラバージンが占める割合が最も高い(75〜80%)というデータがありますが、この情報はほとんど知られていないと思われます。
ギリシャ産のオリーブオイルはその品質が優れていることからもイタリアに輸出され、そこでボトリングされ原産国イタリアとして世界で売られているものも少なくありません。

ギリシャのオリーブオイルが高品質な理由の一つにはギリシャ原産のオリーブ品種があります。

コロネイキ種というギリシャの固有品種はギリシャの石灰質の土壌に合い、そこから搾られるオイルは理化学的品質に優れると言うことが証明されています。
それは酸化安定性に優れ、オレイン酸の含有量が高く、リノール酸の含有量が少ないことに加え、総ポリフェノール、総トコフェロールの含有量が高いことが、健康効果に優れると言われる理由です。
このコロネイキ種のオリーブはギリシャ南部のペレポネソス半島とクレタ島が主な栽培地ですが、コロネイキ種がギリシャ全土の60%以上を占めています。果実は小さくオイル用の品種です。

ギリシャ産オリーブオイルが品質を維持する要因とは?

オリーブオイルの品質を決定づける要因は品種だけではありません。
優れた品種のオリーブでも栽培されている環境から収穫、搾油、貯蔵、製品化までの生産過程に欠陥があれば高品質のオリーブオイルはつくれません。

それにはいくつかの要因がありますが先ず、第一には栽培地の環境があります。
土壌、気候、地形などがありますが、オリーブは過度の水分を好みませんので土壌においては水はけが重要になります。そのため圃場は傾斜地であることが理想です。
気候は温暖で台風などが無く、比較的雨が少ない地中海性気候がオリーブ栽培に適しています。
しかし、少ない水分で育つとは言っても、干ばつの影響でオリーブの生産量が減少する被害はよく聞かれることです。したがって雨水のみに頼ることがなく地下水や水道水による適宜の給水は欠かせません。
日照量も重要で、樹木全体に日照が当たるためには樹高と植樹間隔の関係を見ていく必要があります。

品質を維持する生産過程

オリーブの収穫時期は10月から1月までが一般的ですが地域と品種により様々です。
ギリシャのコロネイキ種の場合は11月中旬から翌年1月中旬が最盛期です。

ここでも品質に優れたオイルを目指すための留意点があります。
収穫は果実に傷をつけないように、プラスチック製のプロペラ機で枝の部分に振動を伝えます。地面にはネットを敷いて、落ちた果実が土に触れないようにすること、収穫した果実は速やかに搾油することがあります。
そして、搾油において最も重要なことが低温搾油、コールドプレスなどと言われますが、温度管理です。
収穫したオリーブは枝葉を除き、水洗いして破砕し、攪拌しながらペースト状にしますが、この工程で熱が加わります。30℃〜36℃以下が一般的ですが、私共へ供給されるオリーブオイルは攪拌工程で27℃以下という低い温度で生産されます。
搾油して得られたオリーブオイルは製品化工場でボトリングされますが、注油の工程でオイルが極力空気に触れないことがポイントです。直ぐに製品化しないオイルはステンレスタンクで貯蔵します。タンク内には窒素を充填し、ここでもオリーブオイルが空気(酸素)に触れないように留意します。

植物油の劣化は酸化という状態で変化します。オリーブオイルはオレイン酸といわれる脂肪酸が主体のオイルで一般の種子油に比べると酸化しにくいとは言ってもオリーブ果実に含まれた油分を搾ったまま、精製していないオイルですので酸化については気を付けなくてはなりません。
その気を付けるものとは空気(酸素)と光(太陽光、蛍光)です。
オリーブオイルのボトルは世界を見てもガラスビンが主体になっています。最近では少しでも光を遮断する目的で色のついた遮光ビンが多くなってきました。
私共が新しく販売するギリシャのオリーブオイルは光を100%遮断するため缶の容器としました。

ヴィボンが行う
ギリシャでの新しい取り組み

私共はオリーブオイルの輸入を主な業務として、現在ではギリシャ、イタリア、スペインの商品を取り扱っておりますが、ギリシャからの輸入は1992年にスタートしました。
1949年ギリシャ政府の指導の下に設立した、オリーブ生産コープ中央会ELEOURGIKI(エレウルギキ)はギリシャ全土の生産コープの生産量、品質向上に努め、今日のギリシャ・オリーブオイルの基礎を築きました。
私共はエレウルギキを介してその時点で優れたオイルを生産するコープから仕入れることでスタートしました。
しかし、2011年に起きたギリシャ財政危機の影響で、公的機関であるエレウルギキも経営難に陥ります。
その結果、安定した供給が難しくなり、「製造委託」という新たなコンセプトの中で進めてまいりました。
これは、輸入者である私共が原料品種から品質に至る規定を定め、それに沿ったオリーブオイルを生産委託するというものでした。しかし、「製造委託」では私共の規定が優先されることで生産者と私共との信頼関係が機械的になり、オリーブオイルにそそがれる作り手の「こだわり」が見えにくいことを感じました。

2021年オリーブオイルの供給先について思考する中、国内充填という製品化についても検討を重ねましたが、納得のいく結果は得られず、2022年に改めてギリシャにおけるオリーブオイル生産者を探し始めました。
「製造委託」で取り決めた、原料品種、品質、製造工程などの条件は残しながら、生産者の「こだわり」を確認するために3社を選択し、各々の生産施設を訪れ、作り手としての考えを聞き検討をいたしました。
品質の信頼性と生産者としての「こだわり」に納得し、決定したのがHERMES社です。

HERMES社の成り立ちから現在まで

ギリシャのオリーブオイル主要生産地であるペロポネソス半島の東にエルミオーニというエーゲ海に面する海辺の街があります。このエルミオーニに本社を置き、農園を所有するHERMES社。
現在の代表者であるエヴァンゲロス・ディマラキス氏は祖父の時代に始めた農園を受け継いでいます。
子供のころから植物に興味を持ち、アテネ農業大学で農業技術を学び、修士号を取得した後、農作物コンサルタントとしても地域のオリーブ栽培を指導する立場は今でも続いています。
ディマラキス氏をサポートしているのは彼の長男と長女そして同じアテネ農業大学で農業技術を学んだ奥さんです。また、祖父の代からオリーブ事業を続けている叔父や従弟達によって搾油所の運営をしており、家族及び一族と共にこだわりを持ったオリーブ生産事業を続けています。

エルミオーニとヘルメス神

エルミオーニの街はギリシャ神話に登場するヘルメス神から名付けられたと伝えられています。
エルメス社はエルメス神からとった社名です。
ギリシャ神話において最高神とされるゼウスとマイアのあいだに生まれたヘルメスは才気に満ちた神で、商売の神、旅の神、流れの神、雄弁の神であり、父ゼウスの命を受け多くの人々を助けました。

ラベルデザイン

製品名はHERMES(ヘルメス)とし、ギリシャ文字での EPMHΣをロゴタイプとしました。
EPMHΣの下に描かれた建物の図はプロピュライアという神殿に向かう前門(入口)の正面図です。
「先にある明るさを目指す入口」という意味合いを込めて、古代ギリシャ建築のプロピュライアをデザインモチーフとしました。色はギリシャカラーの青と白を基調にしています。

新たな容器と輸送手段

オリーブオイルの容器はガラスボトルが主流です。輸入が始まった当初は透明ガラスがほとんどでしたが現在は色付きの遮光ビンに替わっています。これはガラスビンを通して当たる光から酸化を防ぐことが目的でした。この度、ギリシャ産の家庭用容器につては缶製のボトルとしました。これは光の遮断をより完全にした品質維持に加え、割れる危険をなくすことを考えた結果です。
また、ギリシャからの船による輸送はスエズ運河を通過し、インド洋を東へ進み主にシンガポールを経由して日本へ入港するルートが一般的です。これには赤道直下を通過することもあり、品質を維持することを目的に定温での輸送を考慮したリーファーコンテナを使用しています。

原料とするオリーブ果実の品質認定

果実品種はコロネイキ種に限定していますが、その理由は先にも述べましたが理化学的品質にも優れ、官能的にもマイルドでありながら適度の辛味を有するオリーブオイルが得られることです。
EUではオリーブオイルの品質を保証する認定として生産地を保証する原産地呼称(DOP)と有機農法(BIO)を設けています。生産地の保証においては、私共が定期的に現地を視察し収穫農園から搾油所、製品化工場。日本に向けての出荷体制までを確認しております。
BIOはEUが指定した地域における生産とし、使用する肥料、農薬にも制限があります。
取得した製品は安全が保障された食品と言え、私共もBIOの評価はしておりますが最も重視しているのは残留農薬試験です。これは収穫期に搾られたオイルについて実施し、残留農薬が全く検出されないことを取引条件にしています。

納得できるオリーブオイルへの「こだわり」

「こだわり」は私ども輸入者としてのこだわりと、HERMESの作り手としてのこだわりがあります。
2022年に新たな生産者としてHERMESに決めた理由としては両者がお互いの「こだわり」を理解し合えたという事情があります。HERMESには長い経験と学んできた知識を基礎にして、栽培から製品化まで代表のディマラキス氏の考え方と発想があります。オリーブ農園の至近に会社と自宅を置き、常に植えられたオリーブを感じる生活環境もその表れです。私共の「こだわり」には品質基準値及び追跡可能な生産過程等もありますが、特に生産施設の在り方があります。これには搾油施設、製品化施設におけるモデルプランを作成しており、作り手の生産者と協議を重ね、品質、生産性の向上に加え作業環境をも考慮した理想の生産施設を目指したいと考えています。