スペイン産のオリーブオイル

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数千年の歴史を持つオリーブ栽培の中心地「ハエン」

数千年の歴史を持つ地中海沿岸地域のオリーブ栽培。
中でもスペインはオリーブ生産世界一で年間150万トンにも及びますが、その中心的存在がアンダルシア州のハエンです。

ハエンはアンダルシア州の東部に位置する街(県)で、隣接するコルドバ、グラナダなどが観光地としても名高い中で、耳にしたことのない方も多いかと思います。
ハエンは面積の40%がオリーブ畑で全スペインの40%、全世界の15%が生産されています。


  • オリーブ畑が広がるハエン遠景

  • オリーブ畑

  • ハエン旧市街 (12月末)

超越した理化学的高品質のオリーブオイル

オリーブオイルの理化学的品質及び官能的品質を決定するには様々な要因があります。
栽培地の自然環境条件、栽培から収穫、搾油、貯蔵、製品化までの生産条件などは主だった要因ですが、原料となるオリーブ果実の品種が大きく影響することは「ギリシャのオリーブオイル」でもご説明しました。

そこでは、ギリシャ原産の品種コロネイキ種から搾られるオイルは酸化安定性、オレイン酸含有量、ポリフェノール含有量などに優れることが証明されていると述べましたが、その証明とは1999年にスペイン・アンダルシアのペンタ・デル・ジャノ研究所においてM.ウセダ博士をリーダーとするチームによって発表された研究結果によるものです。

研究所の試験農園には世界の主要オリーブ品種160種が同条件で各2本ずつ栽培されています。
それを同じ条件で搾油したものを分析した結果で、オリーブオイル研究の貴重な資料です。
その結果を見るとギリシャ原産のコロネイキ種は高品質を示していますが、それを超える品種がスペイン原産のピクアル種です。

高品質のスペイン原産ピクアル種のオリーブオイル

現在、スペインでは262種のオリーブ品種が確認されていますが、ハエンを中心に栽培されているピクアル種は最も生産量が多い品種でもあります。

私はピクアル種の優れたオリーブオイルを取り扱ってみたいとかねてより考えておりました。
2008年スペイン・アンダルシアを訪れM.ウセダ博士にお会いできる機会を得ることができ、博士のオリーブオイルにかける情熱に触れることができました。

当時はペンタ・デル・ジャノ研究所での指導に加えハエン大学でも教授として教鞭をとっておられました。
現在は退任されましたがハエン大学には今もエキストラバージン・オリーブオイルのコースが設けられています。


  • ペンタ・デル・ジャノ研究所

  • 搾油実験の説明をするM.ウセダ博士

  • 試験農園・コロネイキ種の樹の前で

ピクアル種はその高品質からイタリアにも輸出されブレンドに使用されることも少なくありません。
しかし、官能的にはクセが強すぎてイタリアでは「猫のオシッコ」などと呼ばれていました。

そのピクアル種100%を原料として、官能的にも優れたオリーブオイルがつくられるようになったのは栽培から収穫、搾油、貯蔵までの生産技術の進歩で、M.ウセダ博士をはじめとする研究と指導によるところが大きいと思います。

ピクアル種にこだわる「SPIRITU SANTO農園」のオリーブ

SPIRITU SANTO農園

SPIRITU SANTO農園はアンダルシア州ハエンに位置し、約110ヘクタールの圃場には樹齢30年から300年のオリーブが栽培されています。
圃場の全てに灌漑施設が設けられ、圃場内に搾油施設があります。

オーナーのフアン氏と妻のマリア氏が夫妻で経営する生産者で、フアン氏は6歳ころから父親を手伝い、この地でのオリーブを愛する環境の中で育ちました。
現在では農業技術技師としてオリーブ業界に深く根付き、その知識は並大抵では語れません。
それらの見識は大学やコンファレンス等においてフアン氏自身にて発表されています。

フアン氏はハエンという地域特性とピクアル種との関係を重視し、彼の父親が最も愛した品種と言うこともあってピクアル種にこだわった生産をしています。
それは、酸化安定性に優れ、有効成分を多く含有し、健康に優れるオイルであることに加え、フェノール類の含有量も高いことからフルーティー度が高い官能を示すことを魅力に感じ、ピクアル種を選び大切に育てています。

優れたオリーブオイルの生産にこだわった栽培

オーナーのフアン夫妻

フアン氏は優れたオリーブオイルを生産するために一番大切な部分は栽培であると言います。

収穫後すぐに木の枝を剪定しますが、翌年の生産量を確保するため木の内側まで太陽の光が入ると同時に木1本に適切な量のオリーブが実り、実と種のバランスが良く品質の高い実を得るためです。
灌漑も重要で、これはオリーブ果実の程よい大きさと、フェノールの数値をコントロールしてバランスの良い辛みと苦みを出すことが可能になります。


  • 収穫風景

  • 剪定作業.ウセダ博士

収穫については作りたいタイプのオイルに適した成熟度にて収穫するのが大変重要です。
搾油施設は圃場の中心部にあるので収穫後2時間以内にオイルになります。
搾油工程では28℃以下のコールドプレスとし、粉砕、撹拌、遠心分離において機械の許容能力の1/3以内で稼働させることも実践しています。

また、フアン夫妻の経験から特に他の生産工程と違うことは、搾油前のオリーブの実を水洗いしないと言うことです。
これはあくまでアロマを重視するという観点に立った生産です。
そして生産の全工程をフアン氏が自主管理しています。

SPIRITU SANTOは来年以降有機栽培の生産者となる予定ですが、圃場内には馬や羊が放牧され、その糞と搾油所から出る二次産品から肥料をつくる試みを始めており、ほぼバイオダイナミック栽培に近い方式を取っています。

「SPIRITU SANTO(スピリトゥ・サント)」の名前の由来

この農園自体の歴史は古く、1740年以前はファンテ・デ・ラ・テハ農園(Cortijo Fuente de la Teja)としてオリーブ栽培をしていましたが、オーナーが亡くなった際、子孫がいなかったため、それはウベダ市の“Santi Spiritu”(サンティ・スピリトゥ)という修道会の協会に譲渡されました。

そこで名前がSPIRITU SANTO(スピリトゥ・サント)となり、その後この農園をフアン氏の父親が購入して現在に至りますが、農園の名称は教会の名称をそのまま継承しています。
スペインではこのような資産の移動において名前を継承することは一般的であり、スペインの歴史を象徴しています。

ラベルのデザインについて

ラベルに表現されている花はバラです。
生産地であるアンダルシアはフラメンコ発祥の地であり、その衣装でダンサーが羽織るショールがマントン・デ・マニラと呼ばれるものです。

その柄はバラの花をモチーフにしたものが主で、赤いバラはフラメンコの象徴にもなっています。
マニラとはフィリピンの首都名ですが、15世紀に当時スペインの植民地であったフィリピンから持ち込まれました。

マントンの起源は中国で、絹製で花や鳥が刺繍されたものでした。
この優れたスペインのオリーブオイルが、東洋をルーツとするラベルデザインのボトルで我が国に紹介できることはスペインと日本の距離が近くなったような気もします。