ヴィボンのこだわり

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5,000年以上の歴史をもつ
地中海のオリーブオイル

「5000年以上の歴史をもつ地中海のオリーブオイル」
その魅力を日本の食卓に紹介することが私共ヴィボンの出発点でした。現地の作り手たちはその年の自然環境と向き合いながら“こだわり”を持ってつくり続けています。
私共がその“こだわり”を理解するにはオリーブオイルについての知識を深く知ることでした。
今はそこから学んだオリーブオイルの魅力を伝えることが私どもの使命と考えております。

“こだわり”を伝える

オリーブオイルのおもしろさは生産する地域、オリーブ品種、収穫時期そして作り手の“こだわり”によってさまざまな味わいを見せることです。
地域では世界の90%近くが地中海沿岸地域(スペイン、イタリア、ギリシャ・・・)で生産されており、そのことからも温暖で雨がさほど多くない地中海性気候がオリーブ栽培に適していることがわかります。
オリーブの樹木は土壌と密接な関係があり、それぞれの国、地域にはそこの土地に合った品種が存在します。1500種類以上あるといわれる品種はオイル用、食用、また両用に分かれますがオイルの原料とするもこの品種によってオリーブオイルにした時の品質、味わいが違ってきます。しかし、同じ品種のオリーブから搾られたオイルは全て同じ品質、味わいになる訳ではありません。栽培から収穫、搾油、製品化までの生産工程にかける作り手の“こだわり”が優れたオリーブオイルをつくる決め手になるのです。

オリーブは5月頃に白い小さな花を咲かせ、その後受粉して夏には緑色の実が生ります。
早いところは9月には食用オリーブの収穫が始まります。オイル用の収穫は10月から翌年の1月頃ですが、どのようなオイルをつくるかによって時期は異なります。10月はまだ実は緑色の早摘みの時期ですが、オイルの色も緑色でスパイシーな辛味、渋み、苦みのあるオイルが生まれます。秋に入り実は赤く色づきはじめますが、熟成して油分の量も多くなるとともにオイルの色は黄金色に近づき、味わいはマイルドでまろやかさが増してきます。

私共が輸入販売するスペイン産のオリーブオイルはアンダルシア州ハエンの農場で栽培されるピクアル種100%のオイルです。スパイシーかつエレガントな味わいは類を見ません。毎年日本で開催されるオリーブオイルコンテスト、オリーブ・ジャパンでは2016年から2023年まで連続で金賞を受賞しています。

イタリア産はシチリアの東、ヨーロッパ最大の活火山であるエトナ山の南麓に広がる肥沃な火山性土壌の農園で栽培されています。品種はここの風土に合うノッチェラーラ・エトネア種です。
マイルドでクセが少ないデリケートな味わいのオイルはわが国でも多くの皆様方からご愛顧いただいております。特にご年配のお客様からのリピートが多いのは、和食にも使いやすいことかと思います。
そして、ギリシャ産のオイルは1992年に輸入を開始してから現在に至るまで、原料品種はコロネイキ種100%にこだわり、コロネイキの栽培が盛んなペロポネソス半島およびクレタ島からのオリーブオイルを輸入してきました。実が小さいオイル用の品種で、ギリシャ全土の60%以上がコロネイキを栽培しています。理化学的な品質に優れた品種ですが、官能的にもフルーティーな中に適度な辛みを有するオリーブオイルらしいバランスの取れた味わいです。

オリーブを育てる環境に恵まれた地中海沿岸地域の中でもその土地に合った品種がありますが、最も大切なことは作り手がどのようなオリーブオイルをつくりたいかという夢を持つことでしょう。
この夢をかなえるために“こだわり”があります。それは新しく実るオリーブをイメージしておこなう剪定から始まり、給水、肥料、害虫駆除など人の手を必要とする作業で、その考え方、方法はそれぞれです。
農園主達はその土地で育てるオリーブを愛し、生産に誇りと自信を持ってオリーブオイルをつくり続けています。私共は輸入者として彼らの“こだわり”を伝える義務があると考えています。

昨今では農法の有機化がよく言われますがオリーブ栽培にも農法の考え方が様々あります。
有機農法はEUではBIO(biologica)認証として定められており、遺伝子組換え作物使用禁止、人工肥料、除草剤、殺虫剤の使用制限が規定されています。肥料においては収穫時に発生する枝葉を醗酵させたもの及び家畜糞由来の動物性堆肥などが有機肥料として一般的ですが、BIO認証を取得しない製品用の原料としてもこの有機肥料を使用するのは私どもが輸入する生産者の“こだわり”でもあります。
また、地中海地域に発生する害虫、オリーブミバエの化学薬品を使用しない予防、駆除も課題です。
しかし、農薬の使用が問題ではなく、それを原料として搾ったオイルに農薬が残るかが問題なのです。
私共は国際規格(IOC国際オリーブ理事会の規定)に沿ったエキストラバージンとしての理化学試験及び官能試験を義務付けた上、全ての商品の残留農薬試験を実施しています。

今では各家庭でも使用されるようになったオリーブオイル。我が国では私共ヴィボンが輸入を始めた3年後1995年頃から輸入量が増え始め、健康効果なども伝えられ注目する存在になってきました。
ヴィボンは優れた品質のオリーブオイルを日本へ広める目的で地中海沿岸のオリーブ生産国を調査し、1992年ギリシャ政府指導の下に設立したオリーブ生産協同組合中央会(ERREOURGIKI)からの輸入を開始しました。その当時はオリーブオイルについての文献も少ない時代でしたが、我が国では香川県の小豆島が小規模ながらオリーブオイルの生産をしていました。

笠井先生(左)とヴィボン先代社長(小豆島にて)
笠井先生(左)とヴィボン先々代社長(小豆島にて)

当時、香川県農業試験場長をつとめられ、小豆島のオリーブ産業の育成に尽力された笠井宣弘先生が我が国におけるオリーブ研究の第一人者でした。笠井先生には当社の顧問をお願いし、オリーブの栽培からオイルに至るまでについて教えていただきました多くが私どもの知識となり“こだわり”の基礎とすることができ感謝しております。
また、笠井先生の教えを学び、オリーブの歴史から理化学的品質、効果、他の植物油との比較など多くの研究を残したのはヴィボンの先々代社長酒井辛一でした。91歳で他界するまでその研究は続けられ、その考え、文献は私どもの指針になっております。