用語集

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オリーブオイル、バルサミコ他、当社が扱っている食材に関する用語をまとめました。
食材にこだわりを持つ方、深く食材について知りたい方はご参照ください。

調べたい用語の頭文字をクリックして下さい。

あ行

ヴィンコット:
バルサミコは圧搾したブドウを煮詰めたもの(モストコット)を原料として、木樽で長い年月をかけて熟成して生まれます。そのモストコットをそのまま製品にしたものです。
まだ熟成して酢になる前で、ブドウの甘酸っぱい風味がそのまま凝縮されています。
ヴィンコットとも呼ばれていますが、砂糖代わりの甘味料として使われます。

エキストラバージン・オリーブオイル EXV.Olive Oil:
オリーブオイルの中で、オリーブの実に含まれている油分を化学的処理などをせずに低温(30℃以下)で機械的に搾ったものをバージン・オリーブオイルと呼び、品質的に4つに分類されます。
その中の最高ランクのものがエキストラバージンです。
エキストラバージンは国際的な規格で定められもので、酸度、過酸化物価、脂肪酸組成などの理化学的基準に加え官能的なテイスティング試験をクリアすることが条件です。
市場で見るオリーブオイルはほとんどがエキストラバージンの記載がありますが、日本の品質基準であるJAS規格にはエキストラバージンという格付けもありませんし、基準も国際基準とは全く違いますので我が国においては商品名の一部とも言えます。

オリーブ品種:
栽培されている品種は同種異名や異種同名のものが多数存在する上、品種改良も行われているため、正確な品種数は博されていないが1500〜2000種類はあるといわれています。
オリーブの樹は優良に育つには土壌や気象など環境と密接な関係があり、地中海沿岸地域を見てもスペイン、イタリア、ギリシャでは品種が異なっています。
また、用途によってオイル用、食用(テーブルオリーブス)及びその両用に分かれます。

オリーブポマースオイル:
Pomaceとはオリーブ果実からオイルを搾った搾りカス(種や皮)のことです。
この搾りカスから溶剤(ヘキサン)を使って取りだしたオイルがポマースオイルです。
そのままでは食用にできませんので、精製するか、精製したものにバージンオリーブオイルをブレンドして食用にするか、工業用途として使われます。

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か行

官能試験:
国際オリーブ協会(IOC)が規定するバージン・オリーブオイルの段階テイスティング
1.訓練され選出された8名以上のテースターによりテイスティンググラスに注がれたオリーブオイルの香り、味覚をテストし、バージン・オリーブオイルの等級を決めます。
2.オリーブオイルから感じる快適な感覚として
・フルーティー
・リンゴ
・アーモンド
・青葉、青草
・干し草
・苦味
・辛味
・渋み
・甘味
3.わずかに感知できる程度であっても不快感を伴い、欠陥であるとみなすべきもの
・酸敗臭
・カビ臭
・土臭さ
・金属臭
・酸味、ビネガー臭
・その他許容できない属性
官能検査の内容、項目は国、地域、検査機関により違いがあります。


国際オリーブ協会(評議会) ― IOC International Olive Council:
国際オリーブ協会は世界で唯一の国際政府間組織で1959年スペインのマドリッドに設置されました。
当初はIOOC(国際オリーブオイル協会)でしたが食用のテーブルオリーブスについても関与することが多くなり2006年IOCに改名されました。オリーブ製品について、分類規格、品質規格をはじめ国際規格として多くの規定、情報を発信しています。オリーブオイルの品質検査、官能検査などもIOC認定の機関で実施することが国際基準となっています。
現在の加盟国はヨーロッパ、北アフリカ、中東を中心とした27か国で、日本は加盟していません。

コールドプレス:
低温搾油のことで、攪拌からデカンターまでに熱が加わることがありますが、攪拌速度の調整や注水により温度の上昇を抑えます。27℃以下に抑えることが理想的です。

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さ行

搾油(さくゆ):
オリーブの果実からオイルにするまでの製造工程
収穫した果実の枝葉を除去して洗浄(水洗い)します。その後粉砕、攪拌をしてペースト状にます。その後デカンターにより液相(水と油)と固相(搾り粕)に分離します。液相は遠心分離器によりオイルと水に分離されオイルのみを取り出します。(バージンオイル)
固相は溶剤(ヘキサン)によりポマースオイルと採油粕に分離し、ポマースオイルは精製をして精製ポマースオイルにします。搾り粕は燃料などに利用する生産者もいます。以上は一般的な搾油工程ですが生産者によっては香りを優先し、あえて水洗いをしない場合もあります。

酸化安定性:
オリーブオイルの場合は文字通り酸化(劣化)に対して安定している度合いということになります。
AOM試験(Active Oxygen Method)で測定しますが、オイルに空気を吹き込みながら98℃に保ち、オイルが酸化されて生成する過酸化物価(POV)が100に達する時間を計測値とします。
時間が長いほど酸化安定性に優れるということになります。
オリーブオイルの原料となる果実品種によっても酸化安定性に違いが出ます。

酸度(酸価)・過酸化物価:
酸度(AV)とは油脂100g中の遊離脂肪酸量で、オリーブオイルの場合はオレイン酸に換算した数値が用いられます。
過酸化物価(POV)は油脂中の過酸化脂質量ですが、酸素や光、加熱等により、油脂が酸化、分解することが油脂の劣化であり、その劣化の程度を判断する指標が酸度と過酸化物価です。
国際規格(IOC)では酸度、日本(JAS)では酸価が用いられています。酸価とは遊離脂肪酸を中和するために必要な水酸化カリウム量で、酸度(%)=酸価(mg)✕0.503という関係になります。

シノレア方式:
低温搾油の一種。生産効率は低いという欠点はありますが、水と油の表面張力の差で熱を加えずにオイルを抽出する搾油方式です。
シノレアは、搾油中に一切プレスをしたり、空気に触れる工程がないため非常に良質のオイルが得られる方式です。

脂肪酸:
脂肪酸は脂質の主要な構成要素で化学構造は炭素(C)、水素(H)、酸素(O)の3種類の原子で構成されています。脂肪酸は⑴飽和脂肪酸と⑵不飽和脂肪酸に分類され不飽和脂肪酸は(2-1)一価不飽和脂肪酸と(2-2)多価不飽和脂肪酸に分けられます。
飽和脂肪酸は不足している原子がなく飽和状態にあり、酸化はしにくいが取り過ぎると、血清総コレステロール濃度を上昇させ、虚血性心疾患を起こしやすくすると言われており、WHO/FAOが肥満に対して摂取制限をあげています。
不飽和脂肪酸は水素原子が不足しているため二重結合で保たれており、二重結合が1つのものを一価不飽和脂肪酸、2つ以上あるものを多価不飽和脂肪酸と分類されています。
二重結合の部分で酸化が起こりやすくなるため、一価不飽和脂肪酸であるオレイン酸が主成分のオリーブオイルが今注目を浴びている理由に一つです。(➡脂肪酸組成 参照)

脂肪酸組成:
オリーブオイルは多くの脂肪酸で構成されていますが、国際規格では以下の13の脂肪酸組成
の含有量を規定しています。規定量からも分かるようにオレイン酸が主体で構成されています。
(1)MIRISTIC ACID/ミリスチン酸 ≦0.05%
(2)PALMITIC ACID/パルミチン酸 7.5-20.0%
(3)PALMITOLEIC ACID/パルミトレイン酸 0.3-3.5%
(4)HEPTADECANOIC ACID/ヘプタデカン酸 ≦0.3%
(5)HEPTADECENOIC ACID/ヘプタデセン酸 ≦0.3%
(6)STEARIC ACID/ステアリン酸 0.5-5.0%
(7)OLEIC ACID/オレイン酸 55.0-83.0%
(8)LINELAIC ACID/リノール酸 3.5-21.0%
(9)LINOLENIC ACID/リノレン酸 ≦0.9%
(10)ARACHIDIC ACID/アラキジン酸 ≦0.6%
(11)EICOSENOIC ACID/エイコセン酸 ≦0.4%
(12)BEHENIC ACID/ベヘン酸 ≦0.2%
(13)LIGNOCERIC ACID/リグノセリン酸 ≦0.2%

精製オリーブオイル:
オリーブオイルは果実に含まれた油分を機械的に搾油し精製しないことが基本ですが、酸度、過酸化物価をはじめ食用として規格内に収まらないオイルは精製します。
精製工程は脱酸、脱臭、脱色が主ですが、オリーブの香りがなくなりますのでピュアオリーブオイルにする場合はエキスストラバージンを加えて製品化します。
搾り粕から抽出する場合は溶剤(ヘキサン)を添加して精製ポマースオイルとします。

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た行

テロワール:
通常は農産物の見地から見た産地を意味します。ワインにおいては、ワインに現れる畑の性格といえます。すなわちその畑をとりまく土壌の性質と構造、気象要因、畑の方角、地形、標高などの自然環境要因であり、ワインの品質に特徴を与えるものです。

D.O.P. (Denominazione Origine Protetta) ※原産地呼称保護:
英語表現ではP.D.O. (Protected Designation of Origin)になります。
EU(欧州連合)が制定した食品、飲料の品質認証制度で、特定地域において、指定された原材料を使用し、継承されてきた伝統の製法によりつくられた製品の品質を保証するものです。
オリーブオイルでDOPを取得している地域はイタリアで36、スペインで29、ギリシャで19あります。

トランス脂肪酸:
脂肪酸の構造が一般的(シス型)ではない(二重結合の炭素につく水素の位置)トランス型の構造をもった脂肪酸が存在します。このトランス脂肪酸には、天然に食品中に含まれているものと、油脂を加工・精製する工程でできるものがあります。天然では牛や羊などの反芻(はんすう)動物で、胃の中の微生物の働きによって、トランス脂肪酸が作られます。そのため、牛肉や羊肉、牛乳や乳製品の中には微量のトランス脂肪酸が天然に含まれています。また、人工的には常温で液体の油脂を個体に加工するマーガリン等の製造で水素添加する場合、精製工程で高温で脱臭を行う場合にトランス脂肪酸がつくられます。トランス脂肪酸を日常的にとりすぎた場合には生活習慣病になるリスクが高いとと言われています。オリーブオイルは精製をしませんのでトランス脂肪酸は0です。また油脂を加熱するとトランス脂肪酸の含量が増えますが、オリーブオイルは他の植物油の半分以下という研究結果が出ています。
この結果からオリーブオイルは揚げ物用のオイルとしては安定性が大きいとことが証明されています。
※トランス脂肪酸については農林水産省のウエブページでも紹介されています。

トレサビリティー:
トレサビリティ(Traceability)はTrace(追跡)と、Ability(可能)の2つの用語を合わせた言葉です。食品のトレサビリティとは食品の「生産から消費者に渡るまでの生産過程の追跡が可能である」という意味です。
オリーブオイルの場合は大手の生産者など規模が大きくなると栽培者、搾油者、製品化をする者などの生産過程が確認しづらくなります。
この生産者の不明が偽装オイルの問題につながる可能性を持つため生産過程を把握するトレサビリティ―が重要な意味をもちます。

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な行

濃縮還元:
絞った野菜やフルーツから水分を取り除き5〜6倍まで濃縮、冷凍保存し、使うときに水を加えて元の濃度に戻すことです。
果汁を濃縮する際に色・香り・ビタミンCなどの栄養が減ってしまう為香料や酸化防止剤(ビタミンC)、砂糖などを加えているものが多い。
ストレートとは 原材料の野菜やフルーツを絞っただけのものなので、果実本来の成分が残り、味と香りを楽しむことができます。

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は行

バージン・オリーブオイル:
バージン・オリーブオイルとはオリーブの果実から化学的処理などをせずに低温(30℃以下)で機械的または物理的な手段のみにより得られたオリーブオイルを言います。
品質的に4つに分類されますが、その中の最高ランクのものがエキストラバージン・オリーブオイルです。
それ以下は酸度2.0以下のバージン・オリーブオイル、酸度3.3以下のオーディナリーバージン・オリーブオイルと続き、最後がそのままでは食用に適さないランパンテ・バージンとなります。
我が国ではJAS規格の基準(酸度1.0以下)から、エキストラバージンのみが販売可能です。

バルク輸入:
bulkは「容積, 積荷」の意味。
原材料など一度に大量に遠距離輸送される貨物をその荷姿からバルク貨物(バラ貨物)と呼びます。
オリーブオイルの場合は約200L入りのプラステック容器に入れての輸送が一般的です
大手のオリーブオイルはイタリアなどからバルクで輸入し、日本でビン詰めされるものもあります。

ピュア・オリーブオイル:
Pureとは純粋なで混じりけのないと言う意味ですが、ピュア・オリーブオイルは精製したオリーブオイルにバージオリーブオイルをブレンドしたものです。
JASでは分類上この種のオイルはありませんが国際基準では酸度0.25以下という基準があります。
バージンオリーブオイルを加える量的な割合の規定はありません。
ピュア・オリーブオイルという呼び方は最近少なくなりましたが、単に「オリーブオイル」と表示された商品はこのブレンドしたオリーブオイルを指すことがあります。

BIO(ビオ):
有機食品(オーガニック)のヨーロッパでの呼称です。
2010年7月より、EUで生産、包装された食品を有機食品として販売する場合はEU有機認証マークと共に、製品内に使用されている農産物の生産地情報の表示が義務付けられています。

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ら行

理化学試験:
国際オリーブ協会(IOC)はエキストラバージン・オリーブオイルの国際規格として理化学試験を以下のように義務付けています。
1.酸化に対する基準
(1)ACIDITY 酸度 ≦0.8%
(2)PEROXIDE 過酸化物価 ≦20.0meq02/kg
(3)紫外線吸光度 (K270≦0.22、K232≦2.50、ΔK≦0.01)
2.脂肪酸組成 → 脂肪酸を参照
3.トランス異性体 (2項目)
4.精製種子油含有検査 ECN42
5.ステロール類組成 (8項目)
6.ポマースオイル含有検査 (2項目)
7.残留農薬 (11種)
8.重金属含有 3項目

リーファーコンテナ:
海上輸送をするコンテナでコンテナ内部の温度調整が可能なコンテナです。
一般的なリーファーコンテナでは-30℃〜30℃までの範囲で一定温度に保つことができます。
地中海方面から日本へ運ぶオリーブオイルの場合は赤道付近を通過しますので品質を維持した状態での輸送には必要な手段となります。

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